みりんで肉を煮て、蹴りが飛んできた日の話
「今日は家族の大好きなすき焼き。
ちょっと奮発して良い牛肉を買ってきたんだけど、なんだか肉がゴワゴワ——」
そんな経験、ありませんか?
せっかく奮発した牛肉が、パサパサ・カチカチ。
家族にがっかりされて、自分も悲しい——
実は私、修行時代に同じミスで蹴られて覚えたんです。
——どうも、ぺこくまです🐻
今日はすき焼きの話。……といっても、きれいな話じゃないです。
イタリアンの修行時代、賄いを任されたある日、「今日はすき焼きにしよう」と思い立った私。冷蔵庫から牛肉を取り出して、醤油とみりんを合わせた鍋にドボン。「あとはコトコト煮れば完成〜🎵」と鼻歌まじりに火にかけた瞬間──
後ろから蹴りが飛んできた。
「肉を煮るのに最初っからみりんを入れたら硬くなるだろうが!」
いや、今だったら確実にコンプラ案件。当時の言葉遣いは、今の100倍きつかった😅 でも、あの蹴りのおかげで、一生忘れないレッスンを体に刻まれたんです。
すき焼きの肉は、醤油と砂糖でひたすら煮る。みりんは最後。
今日はこの「なぜ?」を解き明かしながら、電子レンジで作っても肉が硬くならない、すき焼きの作り方を紹介します。秘伝の割下レシピも置いていくので、最後まで読んでってください🐻
なぜ、みりんを入れると肉が硬くなるの?
「みりんって、和食の調味料の代表選手じゃないの?」と思いますよね。
その通り。でも、入れるタイミングがすべてなんです。
答えはシンプル。みりんに含まれるアルコールと糖分が、たんぱく質を急速に収縮させるから。
肉のたんぱく質は熱で縮む性質があります。
みりんのアルコールは、その収縮を加速させる。
しかも、みりんには「糖」もたっぷり。
この糖が肉の表面を固くコーティングしてしまう。
結果、中の水分が逃げて、パサついた、硬い肉が爆誕。
特にすき焼き用の薄切り肉は表面積が大きいので、「収縮&硬化」がダイレクトに効いてしまうんです。
だから修行時代の私は、せっかくの和牛を台無しにしかけた。今思い出しても冷や汗です😅
⚠️ プロからの注意:焼く前のみりん揉み込みもNG
「下味として揉み込もう」と思ってる方、ちょっと待ってください。
短時間ならOKだけど、長時間漬け込むと繊維が縮んでゴワゴワになります。これも同じ原理。アルコールと糖が繊維を縮める。
すき焼きに限らず、焼き肉・ステーキ全般で気をつけたいポイントです🐻
🐻 ちなみに、みりんは「縮める」のが得意
逆に、煮物のじゃがいもが煮崩れしないのは、みりんのおかげなんです。
たんぱく質を縮めるのと同じ原理で、野菜の繊維も少し締めてくれる。だから、肉じゃがが鍋の中で形を保てる。
——でも、あんまり小難しいことは考えずに、「みりんは最後」って覚えておいてください🐻
じゃあ、みりんはどう使えばいいの?
「肉は硬くなる、野菜は煮崩れ防止——みりんって結局なんなのよ?」って混乱しますよね。
整理します。みりんには3つの大事な役割があります。
① 照り・ツヤを出す 🌟
煮汁を煮詰めたときに、テリッと輝く美しさ。肉じゃがや筑前煮の「プロっぽさ」は、ほぼこれのおかげ。
② 臭み消し 🍶
アルコールが、魚や肉の臭みを飛ばしてくれる。煮魚にみりんが欠かせないのはこのため。
③ 味に奥行きが出る 🎨
みりん特有の複雑な甘み(ブドウ糖・オリゴ糖など複数の糖)が、砂糖だけじゃ出せない「丸み」を加えてくれる。
🎯 使いどころのコツ
| 料理タイプ | みりんの入れ方 |
|---|---|
| 煮込み料理(肉じゃが・筑前煮 etc) | 仕上げに近いタイミング |
| 短時間で仕上げる炒め煮 | 最初から入れてOK(アルコールも飛ぶ) |
| すき焼きの肉 | 入れない or 最後にほんの少し |
| 煮魚 | 最初から入れてOK(臭み消し優先) |
→ みりんは「風味」を担当する脇役。主役の肉を硬くしちゃう使い方だけ避ければ、優秀な調味料です🐻
🐻 余談:みりんと「みりん風調味料」の違い
本当はみりんと「みりん風調味料」の違いも話したいんですが、それはまた別の機会に。
スーパーで両方並んでて、「何が違うの?値段も全然違うし」って思ったこと、ありませんか?
早く知りたいって方は、ぜひコメント欄でご一報ください🐻笑
電子レンジで作る、肉が硬くならないすき焼き

ここからが本題です🍲
電子レンジ調理のいいところは、火加減ミスがほぼないこと。長時間煮込みすぎて硬くなる、という失敗が起きにくい。
ただし、入れる順番と加熱時間が超重要。
🐂 まず:肉の選び方のプロのコツ
レシピの前に、せっかく奮発した牛肉を活かす選び方を4つお伝えします。
① 「すき焼き用」と「しゃぶしゃぶ用」、実は厚さが違います
売り場の薄切り肉、種類で厚さが微妙に違います。
- しゃぶしゃぶ用:約0.15〜0.2cm
- すき焼き用:約0.18〜0.2cm(少し厚め)
→ 肉の存在感を楽しみたい派 → すき焼き用
→ あっさり食べたい派 → あえてしゃぶしゃぶ用
同じ「薄切り」でも結果が変わる、地味に面白いポイントです。
② パックの見るべき場所
スーパーでパック選ぶ時のチェックリスト:
- 赤身:くすんでない、鮮やかな赤色
- 脂:白く透き通って輝いてる(黄色がかってる=古い)
- ドリップ(赤い汁)が出てるパックは避ける
③ 部位は「霜降り狙い」より「予算と好み」で割り切る
ロース系(リブロース・肩ロース)が王道。でももも肉でも、薄切りなら十分やわらかくなります。
「霜降りじゃないと無理」と思い込んで予算オーバーするより、もも+下処理で勝負したほうがコスパ高い。
④ 冷蔵庫から出して30分は常温に戻す
家庭料理で抜けがちだけど、超重要なポイント。
冷たいまま鍋に入れると、温度差で水分が逃げて硬くなる。プロの厨房では当たり前にやるけど、家では忘れがち。
「冷蔵庫から鍋に直行」しないで、30分前にカウンターに出しておく。これだけで肉の食感が全然違います🐻
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 牛肉(すき焼き用) | 200g |
| 白菜 | 1/4株 |
| 長ねぎ | 1本 |
| しらたき | 1袋 |
| 焼き豆腐 | 1/2丁 |
| えのき or しいたけ | 1/2袋 |
| 卵(つけだれ用) | 2個 |
🐻 秘伝の割下レシピ
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 醤油 | 大さじ4 |
| 砂糖 | 大さじ3 |
| 酒 | 大さじ3 |
| 水 | 100ml |
| みりん(仕上げ用) | 大さじ1 |
ポイントはみりんを「仕上げ用」に分けておくこと。先に入れないでくださいね、私みたいに蹴られる前に🐻
作り方
- 耐熱容器に、白菜の芯 → しらたき → 豆腐 → 白菜の葉 → きのこ → ねぎの順に重ねる
- 割下(みりん以外)を全部混ぜて回しかける
- ふんわりラップをして、600Wで6分加熱
- 一度取り出し、牛肉を上に広げて乗せる。ラップを戻して追加2分加熱
- 取り出して、最後にみりん大さじ1を回しかける。余熱で香りが立つ
- 溶き卵にくぐらせて召し上がれ
🎯 なぜこの手順なの?
- 野菜を先に加熱 → 野菜から水分が出て、肉を「蒸す」状態になる
- 肉は最後の2分だけ → 加熱しすぎない=硬くならない
- みりんは余熱で → アルコールが肉に作用する前に風味だけ残せる
これ、修行時代の私に教えてあげたい手順です🐻
🧒 お子様のいるご家庭へ
ひとつ大切な注意点。みりんにはアルコールが含まれます。
このレシピでは「みりんは最後に余熱で」入れるので、加熱時間が短く、完全にはアルコールが飛びきらない可能性があります。
小さなお子様が食べる場合は、みりんを入れない選択肢も検討してください。
その場合は、砂糖を大さじ1足して甘さを補うと、子供受けの良い甘めの割下になります🐻
→ 家族構成に合わせて、柔軟に調整してOKです。
🆘 「肉が硬くなっちゃった」時のリカバリー&予防
事後リカバリー(もう硬くなっちゃった編)
一番効くのは「肉を一度取り出す」。
鍋から救出して、野菜と割下だけで煮込み続ける。最後に火を止める直前に戻して、さっと温めるだけ。
これで「煮込まれ続けて硬化」が止まります。プロの店もこれをやってる(関西風の作り方そのもの)。
ただし、完全にパサパサになった肉は戻りません。これは正直に🐻
予防の裏技(次回からの話)
🍄 舞茸プロテアーゼ作戦
舞茸にはタンパク質を分解する酵素が含まれてる。安い肉でも、舞茸と一緒に30分〜2時間漬けておくとやわらかくなる。
すき焼きの具として舞茸を入れることが、そもそも理にかなってるんです。
🧂 塩糖水(今半直伝)
老舗すき焼き店「今半」の調理長がNHK『あさイチ』で紹介した技:
牛肉と舞茸を交互に重ね、塩・砂糖・酒を混ぜた塩糖水で90分漬け込む
これだけで、安い肉が極上肉に。「今半直伝」って書けるの、強いです。
⏱ 煮込み時間の鉄則
薄切り肉は色が変わったら、もう食べ頃。
「しっかり煮込む」は野菜の話。肉に対しては罠です🐻
まとめ:みりんは「脇役の調味料」
3つだけ覚えてください。
- ❌ 肉を煮るときに最初からみりんは入れない(硬くなる)
- ✅ 照り・臭み消し・風味付けには最高
- ✅ 入れるタイミングは「仕上げ」が正解
修行時代に蹴られてから15年。この教えは今も、私の料理の土台になっています。
あなたのキッチンでも、ぜひ試してみてください🐻
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それじゃ、今日も美味しいごはんを🐻


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